頭の体操ストーリー仕立て萌え画風味『論理少女(1)』


論理少女(1) (シリウスKC)

論理少女(1) (シリウスKC)


『論理的に話しなさい!!』が口癖の生徒会長芝いつきとそれに振り回される少年若野祐が主人公、パズルを出し合い解き合う風習をもつ中学校が舞台の学園パズルコミック。


パズルと聞くと『頭の体操』シリーズが浮かんでくるんだけど本書で出題されるものはそれより少しイージー。出題されたあと本を閉じ少し考えればなんとか解けるという難解すぎず簡単すぎない絶妙な出題レベル。
単純明快一発ひらめき系の問題(第5話:「脱出」)やどっかで見たことのある問題なんだけど解き方忘れちゃッたんだよなー、というクラシカルな問題(第2話:「8枚の写真」)・クラシカルに見えてもう一ひねり考えないと解けない問題(第5・6話:「指定かくれんぼ」)など解けそうで解けなさそうで解けそうなクイズが目白押し。パズル苦手という方から自称パズラーまで十分楽しめる構成になっていると思います。


個人的にお薦めするのは「第3話:コインバトル」。10円玉を使ったゲームの必勝法をいつきが祐に教えるのだけど…というストーリーなんですが序盤に大きな落とし穴があります。読者の皆さんは看破できますか?第5話最初の10ページをよーく読んでみるといいですね。自分はたまたま気付いたんですが、気付かないまま必勝法を引っさげて勝負を吹っかける祐が笑えて笑えて仕方なかったです。


ところでもう少し工夫が欲しいなーと思ったのがヒントのちりばめ方。第1話でいつきは自動販売機の前で「私が本来飲みたかったものを論理的に当てなさい」というクイズを出すのだけど、読者に対しては一部のヒントしか与えられておらず残念ながら論理的に答えることができなかったり。もう1コマ、自動販売機の詳細な画があると「あ、あのときのコマがヒントだったか…ッ!!」とかなったりしてよかったと思うんだけどな。第5話:「脱出」でのドアの描き方とか。もう一工夫あればパズラーも満足な出来になってただけに欲しかったうーん惜しい。


「論理少女」と言う割には登場する女の子は少なく、芝いつきの独壇場。黒髪ロング前ぱっつん、小ぶりメガネにややツン性格。だけどオバケ嫌いなところとかグッときたグッと。


さらに2巻(2009年春発売予定)では「第2話:8枚の写真」で写真のみ登場だった他7人の少女が主人公に宣戦布告。女の子だらけの展開から目が離せなくなる(はずの)『論理少女』、ライトでキュートなパズル本としてどうぞ。



ちなみに僕は4番の彼女が好きです(聞いてません)。